礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『現代の国語学』に対する浜田敦の書評(1957)

◎『現代の国語学』に対する浜田敦の書評(1957) 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)から、「第二十一 現代の国語学」を紹介している。本日は、その三回目。 ところで、私はいまこの『現代の国語学』に対する、浜田敦〈アツシ〉氏の…

これを国語学の入門書と呼びたい(時枝誠記)

◎これを国語学の入門書と呼びたい(時枝誠記) 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)から、「第二十一 現代の国語学」を紹介している。本日は、その二回目。 二 さてこの『現代の国語学』のはしがきは、次のように書きはじめられる。《現…

時枝が自身の業績全体をまとめた『現代の国語学』

◎時枝が自身の業績全体をまとめた『現代の国語学』 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)の紹介を続ける。 本日以降は、「第二十一 現代の国語学」を紹介してみたい。 第二十一 現 代 の 国 語 学 一 私は本書で時枝誠記博士が東京大学に…

文学は言語そのものである(時枝誠記)

◎文学は言語そのものである(時枝誠記) 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)から、「第十七 言語の機能」のところを紹介している。本日は、その五回目(最後)。 三 さきに時枝誠記博士が「文学研究における言語学派の立場とその方法」…

時枝誠記のいう言語の共感的機能とは

◎時枝誠記のいう言語の共感的機能とは 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)から、「第十七 言語の機能」のところを紹介している。本日は、その四回目。 続いて中教出版株式会社から出ている時枝博士の高等学校の国語教科書を見ていくと、…

言語は、人間の表現、理解の行為である(時枝誠記)

◎言語は、人間の表現、理解の行為である(時枝誠記) 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)から、「第十七 言語の機能」のところを紹介している。本日は、その三回目。 これは単元文学の研究の中であるから、言語と文学との関わりを考えさ…

言語には三つの機能がある(時枝誠記)

◎言語には三つの機能がある(時枝誠記) 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)から、「第十七 言語の機能」のところを紹介している。本日は、その二回目。 二 さて同じ『国語総合編中学校』のそのさきを見ていくと、『三年上』(昭和三十…

「ことば」は知識や文学の宝庫を開く鍵(時枝誠記)

◎「ことば」は知識や文学の宝庫を開く鍵(時枝誠記) 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)の紹介に戻る。 本日以降は、「第十七 言語の機能」を紹介してみたい。 第十七 言 語 の 機 能 一 私はこの『時枝誠記研究』を書き進めるのに時枝…

桜花の初陣は昭和20年3月21日

◎桜花の初陣は昭和20年3月21日 本日も、『日本軍用機の全貌』(一九五三)から。本日は、同書中の〝特別攻撃機「桜花」〟という記事を紹介したい。 特別攻撃機「桜花」 わが国の人命軽視を遺憾なく世界に表明して,連合国からBAKAという適切な名称を与…

2式複座戦闘機「屠龍」、敵艦船に体当り攻撃

◎2式複座戦闘機「屠龍」、敵艦船に体当り攻撃 二〇一七年の六月二二日から二四日にかけて、当ブログで、『日本軍用機の全貌』(一九五三)という本を紹介したことがあった。数日前、久しぶりに、この本を手に取ってみたところ、二式複座戦闘機「屠龍」につ…

その本の執筆を私にゆずってくれないか(時枝誠記)

◎その本の執筆を私にゆずってくれないか(時枝誠記) 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)から、「第十六 国語史研究」を紹介している。本日は、その五回目(最後)。 三 このように時枝誠記博士は新しい国語史の研究を進められていたの…

従来の国語史研究は口語史中心(時枝誠記)

◎従来の国語史研究は口語史中心(時枝誠記) 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)から、「第十六 国語史研究」を紹介している。本日は、その四回目。 このように時枝博士は国語史研究において新しい考え方をうち出されたが、これによって…

国語の歴史は国語生活の歴史である(時枝誠記)

◎国語の歴史は国語生活の歴史である(時枝誠記) 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)から、「第十六 国語史研究」を紹介している。本日は、その三回目。 そこで次に私は「国語史研究の一構想」に従い、従来の国語史研究に対して時枝博士…

言語過程説に立った「国語生活史」

◎言語過程説に立った「国語生活史」 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)から、「第十六 国語史研究」を紹介している。本日は、その二回目。 二 さて時枝誠記博士の国語史を国語生活史と見る考え方は博士が『国語学原論』(昭和十六年)…

時枝誠記博士の国語史研究について書こうと思う(根来司)

◎時枝誠記博士の国語史研究について書こうと思う(根来司) 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)の紹介に戻る。 本日以降は、「第十六 国語史研究」を紹介してみたい。なお、時枝誠記は、引用されている文章の中で、「脅迫観念」という言…

ニュー・ディール政策の軍事化とケインズ主義者A・ハンセン

◎ニュー・ディール政策の軍事化とケインズ主義者A・ハンセン ルーズベルトのニュー・ディール政策については、以前、大間知啓輔(おおまち・けいすけ)著『国家独占資本主義論』(ミネルヴァ書房、一九六九)所収の論文「経済の慢性的軍事化」を読んで、大…

日本の財閥は「失業の輸出」をおこなっていた(小原敬士)

◎日本の財閥は「失業の輸出」をおこなっていた(小原敬士) 昨日の話の続きである。小原敬士の『アメリカ資本主義の分析』(東洋経済新報社、一九四七)の巻末には、「質疑応答」というものが付いている(一三九~一四五ページ)。本日は、これを紹介してみ…

小原敬士『アメリカ資本主義の分析』(1947)について

◎小原敬士『アメリカ資本主義の分析』(1947)について 二〇一五年九月一二日の当ブログに、「小原敬士、ゼクテ論文を紹介(1947)」という記事を載せた。小原敬士の『アメリカ資本主義の分析』(東洋経済新報社、一九四七)という本の紹介であった…

言語過程説の魅力は時がたっても無くならない(林四郎)

◎言語過程説の魅力は時がたっても無くならない(林四郎) 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)から、「第十四 日本文法論」を紹介している。本日は、その七回目(最後)。 三 ではいったい日本文法論として橋本進吉博士の文節論と時枝誠…

時枝君の考えを、あのまま受け入れてはあぶない(橋本進吉)

◎時枝君の考えを、あのまま受け入れてはあぶない(橋本進吉) 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)から、「第十四 日本文法論」を紹介している。本日は、その六回目。 進んで国語学者は時枝博士のこの詞辞の論をどのように評価するのであ…

山内得立は時枝誠記に学んでいる(根来司)

◎山内得立は時枝誠記に学んでいる(根来司) 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)から、「第十四 日本文法論」を紹介している。本日は、その五回目。 ではこのような〔鈴木〕朖の説そして時枝〔誠記〕博士の説を文句なしに受け入れた学者…

時枝氏の視角が、すべての事実を新しく解釈しなおさせる(小林英夫)

◎時枝氏の視角が、すべての事実を新しく解釈しなおさせる(小林英夫) 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)から、「第十四 日本文法論」を紹介している。本日は、その四回目。 ではその当時時枝〔誠記〕博士の新しい学説はどのように評さ…

大戦末期、橋本文法が国定教科書に採用される

◎大戦末期、橋本文法が国定教科書に採用される 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)から、「第十四 日本文法論」を紹介している。本日は、その三回目。 思えば自分の学説の立場からしばしば橋本〔進吉〕博士のそれに批判を加えられる時枝…

学説の批判に臆病であってはならない(時枝誠記)

◎学説の批判に臆病であってはならない(時枝誠記) 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)から、「第十四 日本文法論」を紹介している。本日は、その二回目。 この橋本〔進吉〕博士の文節論はその当時から多くの学者に支持され広く行われた…

橋本進吉、新たに文節という概念を唱える

◎橋本進吉、新たに文節という概念を唱える 根来司著『時枝誠記 言語過程説』(明治書院、一九八五)の紹介に戻る。 本日以降は、「第十四 日本文法論」を紹介してみたい。 第十四 日 本 文 法 論 一 橋本進吉博士の『国語法要説』が明治書院の「国語科学講座…

上映のあと、立ち上らずに泣いている老人がいた

◎上映のあと、立ち上らずに泣いている老人がいた 黒澤明『蝦蟇の油』(岩波現代新書、二〇〇一)から、映画『素晴らしき日曜日』について述べているところを紹介している。本日は、その三回目(最後)。 「素晴らしき日曜日」が封切られて、数日後、私は次の…

演出上の冒険をやってみたかった(黒澤明)

◎演出上の冒険をやってみたかった(黒澤明) 黒澤明『蝦蟇の油』(岩波現代新書、二〇〇一)から、映画『素晴らしき日曜日』について述べているところを紹介している。本日は、その二回目。 なお、本日、紹介する部分(二八九~二九一ページ)には、いわゆる…

黒澤明監督の映画『素晴らしき日曜日』(1947)を観た

◎黒澤明監督の映画『素晴らしき日曜日』(1947)を観た 先日、黒澤明監督の映画『素晴らしき日曜日』(東宝、一九四七)を、ビデオで観賞した。初めて観賞する映画だった。「秀作」とまでは思わなかったが、最後まで、飽きることなく観賞することができ…

「セメダインA号」から「セメダインC」へ

◎「セメダインA号」から「セメダインC」へ 本日も、セメダインの話。『セメダイン五十年史』(セメダイン株式会社、一九七三)から、「セメダインA号」、「セメダインC」について記しているところを紹介してみよう(二六~三二ページ)。 「セメダインA…

形あるもののある限り接着剤の需要は無限(今村善次郎)

◎形あるもののある限り接着剤の需要は無限(今村善次郎) セメダインの話の続きである。『セメダイン五十年史』(セメダイン株式会社、一九七三)から、セメダイン株式会社の創業者・今村善次郎(一八九〇~一九七一)について記している箇所を紹介してみよ…